Windowsでキーリマップを柔軟に行いたい場合、Keyhacは非常に便利なツールである。Pythonスクリプトによるカスタマイズが可能で、Emacsライクな操作なども容易に実現できる。しかし、Windowsの起動時にKeyhacを自動起動させる設定を忘れがちなユーザーも多い。本稿では、Windows 11環境でKeyhacを確実にスタートアップに登録する手順を整理する。
前提条件
本記事はWindows 11環境を前提とする。また、Keyhacがすでにインストール済みであり、手動で起動できる状態にあることを前提とする。Keyhacは公式サイトまたはGitHubリポジトリから入手可能で、インストーラー版またはzip版のどちらでも問題ない。
Keyhacの実行ファイルを確認する
まず、Keyhacの実行ファイル(keyhac.exe)の場所を確認する。通常は以下のいずれかのパスに存在する。
- インストーラー版の場合
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Keyhac\keyhac.exe - zip版の場合
解凍先の任意フォルダ内にkeyhac.exeがある。
この実行ファイルの絶対パスを後の手順で使用するため、エクスプローラで確認しておく。
スタートアップフォルダを開く
Windows 11では、スタートアップフォルダにショートカットを配置することで、起動時に自動実行できる。
- Win + R を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開く。
- 次のコマンドを入力してEnterを押す。
shell:startup - エクスプローラが開き、「スタートアップ」フォルダが表示される。ここに配置されたショートカットはWindowsのログイン時に自動実行される。
ショートカットを作成して登録する
次に、Keyhacを起動するショートカットを作成し、スタートアップフォルダに配置する。
keyhac.exeを右クリックし、「ショートカットの作成」を選択する。- 作成されたショートカットファイルを、先ほど開いた「スタートアップ」フォルダにドラッグ&ドロップする。
この操作により、次回以降のWindows起動時にKeyhacが自動起動するようになる。
管理者権限での実行設定(必要に応じて)
Keyhacは他のアプリケーションのキーボードイベントをフックするため、管理者権限で実行しないと動作が制限される場合がある。もしキー入力が効かない、または一部のウィンドウで反応しない場合は以下の設定を行う。
- スタートアップフォルダ内のKeyhacショートカットを右クリックし、「プロパティ」を開く。
- 「ショートカット」タブの「詳細設定」をクリックする。
- 「管理者として実行」にチェックを入れる。
- OKを押して設定を保存する。
なお、UAC(ユーザーアカウント制御)の設定によっては、起動時に確認ダイアログが表示される。この挙動を避けたい場合は、次節の「タスクスケジューラによる登録」を用いるとよい。
タスクスケジューラを使う方法(代替手段)
より確実に管理者権限でKeyhacを起動したい場合は、タスクスケジューラを利用する。
- Winキーを押して「タスクスケジューラ」と入力し、起動する。
- 右側の「タスクの作成」をクリックする。
- 「全般」タブで次の設定を行う。
- 名前:
Keyhac AutoStart - 「最上位の特権で実行する」にチェック
- 名前:
- 「トリガー」タブ → 「新規」 → 「ログオン時」を選択
- 「操作」タブ → 「新規」 → 「プログラムの開始」 →
keyhac.exeのパスを指定 - 「OK」を押して保存する。
この方法では、管理者権限付きでKeyhacが起動するため、全てのアプリケーションでキーマップが有効になる。
動作確認
設定後、Windowsを再起動する。ログイン後にKeyhacのアイコンがタスクトレイに表示されていれば、スタートアップ登録は成功である。表示されない場合は、ショートカットのパスや権限設定を再確認する。
まとめ
Windows 11でKeyhacをスタートアップに登録するには、shell:startup で開いたスタートアップフォルダにショートカットを置くのが基本である。管理者権限が必要な場合は、ショートカットのプロパティで「管理者として実行」を有効化するか、タスクスケジューラを用いる。これにより、起動時に自動でKeyhacが立ち上がり、常時快適なキーバインド環境を維持できる。