画像生成AI(Stable Diffusion)で意図的に整っていない顔立ちや不細工な子どもを生成しようとしても、出力結果がどうしても可愛らしく整ってしまうことがあります。本記事では、AIが持つ強い美化バイアスを崩し、意図した不揃いさを表現するためのプロンプト設計アプローチをまとめます。
目次
なぜ「ugly」だけでは顔が崩れないのか
多くの学習モデル(特に実写系やアニメ系の派生モデル)には、整った顔立ちや美しいライティングを好む強力な美化バイアスが存在します。そのため、単に ugly や bad looking といった抽象的な形容詞を入力しても、AIが自動的に補正をかけて「愛嬌のある顔」や「雰囲気のあるブサ可愛い顔」へと寄せてしまいます。
このバイアスを打破するためには、抽象表現を排して物理的・構造的に顔のパーツを崩す具体的な指定を行う必要があります。また、同時にモデルが無意識に適用しようとする「整った要素」をネガティブプロンプトで徹底的に削ぎ落とす工程が欠かせません。
具体的なパーツの崩し方と構図の崩し
顔の整った印象をなくすには、対称性の破壊、特徴的なパーツの付加、そして写りの悪さを意図的に作り出すことが有効です。
- 骨格・対称性の破壊:
asymmetrical face(非対称な顔)、crooked nose(曲がった鼻)、misaligned eyes(斜視・視線のズレ) - 特徴的なパーツ・肌質:
uneven teeth(歯並びの乱れ)、receding chin(引っ込んだ顎)、double chin(二重顎)、blotchy skin(色ムラのある肌) - 瞬間的な表情の崩れ:
awkward expression(ぎこちない表情)、grimacing(顔をしかめる)、mid-blink(半目) - 撮影環境の劣化:
harsh flash photography(強烈な直焚きフラッシュ)、amateur snapshot(素人のスナップ写真)、unflattering lighting(粗の目立つ照明)
加えて、普段常用しがちな masterpiece や best quality といった品質強調プロンプトをあえて外すことも重要です。これらのワードは画質を上げるだけでなく、被写体の造形を美形化する副作用を持つためです。
プロンプトとネガティブプロンプトの実装例
具体的な崩し要素には重み付け構文 (word:weight) を適用し、モデルの美化傾向よりも強い影響力を与えます。ネガティブプロンプト側には、可愛さや対称性、滑らかな肌を定義する単語を網羅してブロックします。
ポジティブプロンプト:
a candid photo of a kid, (asymmetrical face:1.3), crooked nose, uneven teeth, awkward expression, blotchy skin, harsh flash photography, amateur snapshot
ネガティブプロンプト:
cute, adorable, beautiful face, symmetrical features, smooth skin, doll, studio lighting, masterpiece, best quality
