ghqは、リポジトリを一元的に管理するためのCLIツールである。GitHubやGitLabのリポジトリを一貫したパスで管理し、開発環境を整理するのに非常に有効である。
WSL上ではLinux環境として動作するため、Go製のツールであるghqを直接ビルド・配置するのが最も適している。
目次
前提条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 10 / 11 |
| WSL バージョン | 2 |
| Linux ディストリビューション | Ubuntu 22.04 以降 |
| Go言語 | 1.19 以上(go installコマンド対応バージョン) |
Goが未インストールの場合は、先にGoのインストール手順(前記事参照)を実施する。
推奨方法:go installで直接インストールする
最も標準的で再現性が高い方法は、Go公式ツールチェーンを用いたインストールである。
go install github.com/x-motemen/ghq@latestインストール後、~/go/bin にバイナリが配置されるため、パスを通す。
echo 'export PATH=$PATH:$(go env GOPATH)/bin' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc動作確認を行う。
ghq --versionこれでghqが利用可能となる。
Goのモジュール管理機能を用いるため、バージョン指定(例:@v1.5.0)も柔軟に対応できる。
代替方法:APT経由(非推奨)
Ubuntuリポジトリにもghqパッケージが存在するが、更新が遅くバージョンが古い。
そのため、最新版を利用したい場合には不向きである。
sudo apt update
sudo apt install ghqこの方法は環境構築を自動化したい場合(例:AnsibleやDockerfileなど)には有効だが、開発者自身の利用には推奨されない。
ソースからのビルド(特殊用途向け)
カスタマイズが必要な場合や、ghqの開発版を試したい場合は、手動でビルドできる。
git clone https://github.com/x-motemen/ghq.git
cd ghq
make installデフォルトでは$GOPATH/binにバイナリが生成される。
この方法は、Go開発環境の内部構造を理解している場合にのみ選択すべきである。
まとめ
| 方法 | 特徴 | 推奨度 |
|---|---|---|
go install github.com/x-motemen/ghq@latest | 最新版を簡単に導入できる | ★★★★★ |
apt install ghq | システム管理に統合されるが古い | ★★☆☆☆ |
| ソースからビルド | 開発・検証向け | ★★★☆☆ |
補足:環境変数設定の確認
ghqは内部でgitコマンドを利用するため、gitがインストールされていることを確認する。
git --versionまた、デフォルトのリポジトリ保存パスは ~/.ghq である。
変更したい場合は環境変数で指定する。
echo 'export GHQ_ROOT=~/dev/src' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrcこの構成を採用すれば、WSL上でもLinux環境と同様にghqが安定動作し、GitHubリポジトリの管理を効率化できる。