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政治体制
フルシチョフの登場とスターリン批判
1953年、スターリンの死去をもってソビエト連邦の「絶対的恐怖政治」の時代は終わりを迎えた。その死は国家の頂点に巨大な空白を生み出し、党内での後継者争いが激化する。ここで徐々に台頭していったのが、ニキータ・フルシチョフである。彼はスターリンの側近の一人でありながら、やがてその遺産を否定するという歴史的転換を遂げた。 本稿... -
政治体制
スターリン体制とは何だったのか
ソビエト連邦の歴史において、ヨシフ・スターリンの支配は最も恐ろしく、同時に最も強力な時代のひとつとして知られている。1920年代末から1953年に彼が死去するまでの間、スターリンは共産主義を掲げた国家の名のもとに、かつてない規模の統制と弾圧を行った。彼の体制は、政治的な粛清、思想統制、農業集団化、恐怖による支配といった要素... -
投資
AI関連投資の再構成:第二波に備える裏方銘柄の視点
AI(人工知能)分野への投資は、2023年から2024年にかけて爆発的に注目を集め、多くの投資家がNVIDIA、Microsoft、Alphabetなど、AIの表舞台を担う企業に資金を集中させた。その結果、これらの銘柄は株価が大きく上昇し、時価総額ベースでも市場の中心に躍り出た。 しかし、こうした"AIフロントランナー"たちは、もはや「買いやすい」水準に... -
投資
楽天証券 vs SBI証券:米国株投資に適しているのはどちらか?
米国株投資が日本の個人投資家の間で一般化してきた中で、証券会社の選択はますます重要になってきている。特に楽天証券とSBI証券は、ネット証券として高いシェアを誇り、機能・コスト・サービス面でしのぎを削っている。 本稿では、米国株投資という観点からこの2社を比較し、それぞれの長所と短所、どんな投資家に向いているのかを掘り下げ... -
投資
単元未満株と板取引の本質的な違いを理解する
株式投資において「板を見る」「板に注文を出す」という表現は、一般的な市場参加者の行動として根付いている。しかし、単元未満株(S株、かぶミニなど)においては、この「板取引」という概念が当てはまらない。ここでは、単元未満株と板取引の本質的な違いを整理し、投資家が混乱なく取引できるように理解を深めていこう。 単元未満株と板... -
投資
単元未満株サービス比較:SBIの「S株」と楽天の「かぶミニ」
日本の主要ネット証券であるSBI証券と楽天証券は、それぞれ「単元未満株取引」に対応した独自サービスを提供している。SBI証券では「S株」、楽天証券では「かぶミニ」と呼ばれるこれらのサービスは、表面的には「少額で株が買える」ことを共通点としているが、実際の仕組みやコスト構造には明確な違いが存在する。 本稿では、S株とかぶミニを... -
投資
単元株と単元未満株とは何か?株式投資の基礎から理解する
株式投資において最も基本的な単位となるのが「単元株」である。日本の株式市場では、株を買う際に原則として100株単位で売買される仕組みになっている。これがいわゆる「単元株」と呼ばれるものである。 例えば、ある企業の株価が1,000円だった場合、購入に必要な最低金額は100,000円(1,000円×100株)になる。これが日本の株式投資を「ハー... -
地政学
ベトナムのドイモイ政策とは何だったのか?歴史・背景・成果まで
「ドイモイ」とは何か?──刷新の合言葉 1986年、ベトナム共産党は国家の方向性を大きく転換する経済改革を打ち出した。その名を「ドイモイ(Đổi Mới)」――ベトナム語で「刷新」「改革」を意味する言葉だ。それは単なる政策ではなかった。国家の根幹を変える、大胆で冷静な“自己改造”の始まりだった。 ドイモイの前夜──破綻しかけた社会主義国... -
地政学
国家はどこから来て、どこへ行くのか――二重内陸国から見た国家形成の本質
国家は“自然物”ではなく“人工物”である これまでの記事では、二重内陸国という地政学上の特殊な国家形態を起点に、リヒテンシュタインとウズベキスタンという対照的な2か国の事例を通じて、国家の成り立ちや外交姿勢、統治体制について考察してきました。また、独裁とは何か、というテーマを国家の発展段階という視点から掘り下げてきました... -
地政学
独裁とは何か――“悪”ではなく国家の段階か?
はじめに 現代の国際社会では、「独裁」という言葉はしばしばネガティブな意味で語られます。報道の自由の制限、反対派の弾圧、選挙の形骸化など、そのイメージは暗く、抑圧的な体制を連想させます。しかし一方で、独裁体制のもとで国家が安定し、発展の基盤を築いた例も少なくありません。今回の記事では、独裁を一概に善悪で語るのではなく...